一般的にイメージされる金庫の役割として「空き巣などから貴重品を守る」という防犯性を真っ先に思い浮かべられる方が多いかと思いますが、ホームセンターなどで販売されている安価な金庫は「耐火金庫」であることが多く、その場合は火災時の温度上昇から庫内の収納物を守る役目しか果たさないという現実があります。堅牢そうな見た目とは裏腹に防犯性能は思いのほか低い金庫が多いため、耐火金庫の防犯性能に関する予備知識がないまま金庫を購入し、「防犯を期待して購入したのに空き巣に根こそぎ盗まれてしまった」といったトラブルに見舞われることは避けるべきです。このページでは防盗金庫とは?耐火性と防盗性を備えた金庫とはどのようなものか?など最新の金庫事情をお伝えしていきたいと思います。
一般的な金庫がダイヤル式やテンキー式の錠と、シリンダー錠などのキーを使用したダブルロックになっていることはみなさんもご存知かと思いますが、面倒くさがってダイヤルを回さずに使用したりせず、ディンプルキーを採用したものや、ピッキング対策を済ませてあるシリンダー錠など性能の高い錠前の付いた耐火金庫であれば、何からの方法で綺麗に鍵を開けて持っていく犯罪に対しては十分に対応できます。しかしながらバールや電動工具などを使用して強引に金庫をこじ開けたり、金庫ごと持ち去り重機を使用して金庫を破壊するといった暴力的な手法を取る窃盗団などに対して耐火金庫は全く太刀打ちできません。
防盗金庫とは耐火金庫同様の耐熱性能を持ちながら、ボディパネル面に硬度の高い合金を使用し、錠前部分にも超合金プレートを入れるなど電動工具などによる破錠行為に対する防盗性を備えた金庫です。防盗性能の試験規格に関しては、バールや電動工具などを使用した攻撃、溶断機などによる破断に対して15分、30分、60分耐久の3段階の性能試験がありますので、この時間を攻撃耐久性能能検討の目安としてください。また防盗金庫はこれまで発生した盗みのパターンから起こり得ることを十分に考えて設計されていますので、金属製のベースプレートを設置し金庫内からボルト留めする、床のコンクリートにアンカーを埋め込む、といった持ち去り被害に対応する機能も持っています。もしご家庭やオフィスで防盗金庫を購入される際には、耐火性能の有効耐用年数と耐火金庫であるか、防盗金庫であるかが判別できる「この金庫は防盗金庫です」という「日セフ連」の認定シールを確認されることをお勧めいたします。