玄関ドアなどに関する鍵の性能については日々精密化しています。その中でもディンプルキー・シリンダーの防犯性能は特に高いものとして認識されるようになっています。
住宅などの侵入犯がその建物の入り口を突破する手口として代表的なのがピッキングです。道具を鍵穴に差し込み、解錠してしまう手法ですが、これが急激に横行してから防犯性の見直しが叫ばれてきました。そこで開発されたのがディンプルキー・シリンダーです。
従来、玄関ドアなどに多く用いられていたのはディスクシリンダーでしたが、この仕組みはピッキングで容易に破られてしまうことから、これに代わる複雑な構造を持つシリンダーの開発が急がれていたのです。
そうして開発されたのがディンプルキーであり、一般的に広まったのは2000年代に入ってからと言われます。従来のものよりも解錠のシステムがかなり複雑化しており、ピッキングを行うのは非常に困難とされています。それだけ高性能な仕組みを持つのがディンプルシリンダーなのです。
ディンプルシリンダーは、その構造の複雑さからピッキングがかなり困難な仕組みとして広く取り入れられるようになりました。一般的にピッキング犯はその鍵の解錠に5分以上かかるとあきらめる傾向にあると言います。そういった意味ではディンプルキーの性能は非常に高いと言えるのです。
さらに、その防犯性能を高めるシステムがあります。日本でもトップクラスの鍵性能を誇るKABA社では、ディンプルキーの所有者個人の情報や鍵ナンバーなどを登録し、不正な第三者がスペアキーを作成することができないようにする鍵登録システムを採用しています。
ディンプルシリンダーの仕組みそのものでもかなりの性能を保証されているわけですが、こうした鍵登録システムによってメーカーから守ってもらえることで、さらなる防犯性を高めているのです。この鍵登録システムを利用すれば、スペアキーはもちろん所有者本人しか作ることができませんし、KABA社に登録した個人情報も厳重に管理されているため、安心です。
ディンプルキー・シリンダーがなぜ高性能なのかと言うと、もちろんその構造の複雑さに秘密があります。ディンプルシリンダーは広義のピンシリンダーに分類されますが、従来ディスクシリンダーと並んで使用されていたピンシリンダーは、比較的平易な造りだったのです。
ディンプルシリンダーが登場する前のピンシリンダーとは、内蔵されているのは1列6~8ピンが主流でした。つまり、このピン数さえクリアできればピッキングが可能なのです。
ディンプルシリンダーに内蔵されているピンは、1列6~8ピンが3~5列並んでいます。複数列にわたっていることから外部からのピッキングを難しくしているのです。それに対応するディンプルキーにはたくさんの穴がありますが、この複雑なピン構造にそれぞれ合致するように作られているため、穴も複雑な形となっています。
このように高い防犯性能を誇るディンプルキー・シリンダーならより強固に侵入犯をシャットアウトすることができます。ディンプルキーへの交換を検討されているなら、ぜひ私たち鍵屋に一度ご相談ください。お客様のご要望に合った提案をさせていただきます。