ディンプルキーは複雑な内部構造を持つため、鍵穴にキーが引っかかる、挿し込みにくい、抜きにくい、といった症状が発生し易い鍵といえます。このページではディンプルキーの滑りを良くする手入れ方法と、鍵穴のメンテナンス方法をまとめています。ディンプルキーの調子が悪くお困りでしたら、鍵と住宅のプロまでお気軽にご相談ください。
窃盗犯がターゲットの住宅に入る際に使用する「ピッキング」というテクニックが猛威を振るい、鍵メーカー各社からピッキング対策を行った錠前が次々と出てきました。なかでも不正解錠が困難で、鍵を差し込む向きを問わないリバーシブルタイプであるディンプルキーは、安全性と利便性の高さから爆発的に販売数を伸ばしてきました。このため近年では、手頃な価格で入手可能な高セキュリティ錠の代名詞といえばディンプルキーが真っ先にあげられるものとなりました。構造的には、従来の鍵がギザギザの鍵山で鍵穴中のピンを揃え解錠する仕組みなのに対し、ディンプルキーではキーの表面に深さや大きさの異なるディンプル(くぼみ)を設けることで、中のピンを揃える構造となっています。
ディンプルキーは鍵違い数も多くギザギザ鍵より数倍精密なため、キーに付着したゴミが鍵穴内部に入ることで深刻なトラブルを引き起こします。このためテープやステッカーといった粘着物をキーに付着させない事が重要です。ディンプルキーの手入れ方法としては、歯ブラシなどでディンプルに溜まったゴミなどを取り除き、柔らかい布でキレイに拭えばOKです。鍵の滑りが悪い場合は「鍵専用潤滑スプレー」を塗布しますが、鉛筆の芯を削り黒鉛をキーに塗ることでも代用が可能です。
ディンプルキーの鍵穴メンテナンス方法としては、まず掃除機で鍵穴に溜まった埃を吸い出します。パソコン用としてホームセンターで販売されているエアダスターを使用してもOKです。次にシリコン系の潤滑性分を配合した、ノンオイルの「鍵専用潤滑スプレー」を鍵穴に吹き込みます。噴射時間は0.5秒程度で十分ですので吹き込みすぎに注意してください。鍵を挿し込みゆっくり何度が操作して内部を慣らして完了です。上記メンテナンスを行って動作が改善しない場合は、分解清掃やシリンダー交換などの必要があるかもしれません。うっかり油性の潤滑剤やミシン油などを注してしまった鍵穴は、既に内部で埃が固まっている場合があります。もしその状態で鍵を使い続けた場合は、内部部品が破損しいずれ鍵の操作ができなくなりますので早めに鍵屋にご連絡ください。