ひったくり被害者は女性、老齢者がほとんどです。まずはバッグの持ち方、注意する場所や時間帯など、気をつけるポイントを知りましょう。その上で大切なものは自分で守る、と言う意識を念頭に置いた対処法を、日常の中でイメージしておきましょう。
ひったくり被害が発生するシーンについて考えたとき、まず頭に浮かぶのは、暗い夜道です。しかし実際にはどの時間帯にも発生しています。
たとえ朝でも、自分と犯人以外誰もいなければ暗闇と同じです。犯人側に立つと、第三者の目撃ほど怖いものはありません。被害の当事者は混乱し、すぐに警察に通報できないこともありますが、第三者が犯罪を目撃し、通報がすばやく行われることで、警察も迅速に対応できる場合があります。
夜の犯罪が多いのは事実ですが、夜には必然的に視界が悪くなること、社会活動が減り、同時に人通りが減ることなどの理由が重なるためと思われます。
実際には、真昼でもひったくりは発生しています。そのことからも、考えをもう少し進める必要があると言えます。
夜だから気をつけると言うよりは、そこが人通り、人目がある場所なのかを意識しましょう。
ひったくりの被害にあわないためには、いくつかコツのようなものがあります。
「女性、老齢者は一人歩きに気をつける」
「バッグは通りと反対側で持つ」
「自転車のかごにはカバーを掛ける」
「なるべく人通りの多い道を選ぶ」
などが上げられます。
ひったくりをしようと思っている人がいたとします。何も考えずに無防備に歩いている方、何らかの注意をし、気をつけている方の二人がいれば、当然無防備な方を狙うでしょう。犯人もリスクは避けたいものなので、何らかの対処を知っている方へは手を出しにくいのです。
女性の被害が多い理由として、荷物の形状も含まれます。ショルダーバッグはひったくりしやすいものです。肩に下げる、ひじに掛けるだけなので、単純に奪いやすいのでしょう。
そういう場合、バッグを掛けていない側の手を添える、両手で体に引き付けて持つなどの工夫をしましょう。
実際にひったくり被害に合ってしまった場合、どう対処するべきでしょうか。持ち物を守れなかったら、次に守るべきは自分自身です。落ち着いて対処をすることで、次の被害を防ぐことにもなります。
「無理に抵抗しない」
「大きな声で助けを求める」
「ひったくり犯、被害の状況を記憶、記録する」
「110番通報する」
などになります。
まずは「事件が起こった」と言う事実を、誰かに知らせることが重要です。抵抗し、持ち物を奪い返すことは二の次です。ひったくり犯は力で勝てない相手はターゲットにしません。女性がターゲットになりやすいのはそのためです。抵抗することで自分が怪我を負ってしまうこともありますので、無理は禁物です。
大きな声を出すことで、誰かがその状況を見てくれるかもしれません。目撃者が多ければ多いほど、検挙率が上がります。何でも良いので、とにかく大きな声を出しましょう。
日常の中で出来る対処法として、イメージトレーニングをする、と言う方法があります。毎日使っている道でもし、ひったくりの被害に合ったら、と想定してみましょう。
いつも通っているこの道が、安全か。寄り道をした後、時間帯がずれたときに、思いがけず人通りが減ってしまうことがないか。思いをめぐらせて歩いてみると良いでしょう。
一度でもイメージを作っておくことで、実際に似た場面に遭遇した際にも、パニックを起こさずに行動できます。冷静に対処することで、記憶の正確さにも差が出てきます。
荷物の持ち方などは、一度癖をつけてしまえば自然と行える防犯です。女性は特に、防犯よりはおしゃれを一番に考えてしまいがちです。一度、防犯目線でカバンを選んでみるもの良いでしょう。
まずはご自分を守りましょう。もしチャンスがあれば、ご家族やお友達にも教えてあげて下さい。